行政書士の試験に合格したことや、開業したことを多方面に報告した際、多くの方から「おめでとう!」「がんばってよ!」と祝福と応援のお言葉をいただきました。ありがたいことです。
そして、その次に必ずと言っていいほど言われるのが「行政書士って何する人?」という質問でした。そうですよね、私も数年前まで存在すら知らなかったのですから。よくぞ聞いてくれました。満を持してお答えします!
≪行政書士法 第1条の2≫にはこう書かれています
「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする」
何やら小難しいことが書かれておりますが、この一文の中に、「行政書士になったらやってもいいですよー」という仕事内容が大きく分けて3つ書かれております。
①官公署に提出する書類
いわゆる役所に提出する書類の作成および提出代理が出来ます。典型的な例として、事業を興す際の許認可申請(建設業や酒類販売業、飲食店営業など)を役所に申請するものですね。手続きが煩雑で面倒くさいという声が聞こえてきそうですが、逆に手続きをすごく簡素化あるいはゼロにしちゃうとどうなるか。資格を持たない建設業者が増えたり、実体のない怪しい酒類販売業者が出てきたり、きっと迷惑や不便を被るのは国民なんですよね。
ですから、事業者側にとっては多少手続きが煩雑にはなりますが、行政がしっかりとコントロールして国民の生活を守るようになっているのです。
そこで行政書士の出番として、各種許認可を取ろうとしている事業者がしっかり許認可を取れる要件を具備していることを確認し、そして事業者本人が本業に専念できるよう、煩わしい手続き業務を代理で行うことが出来るわけです。行政と事業者の間を取り持ち円滑な手続きを進めることで、結果的に国民の幸せを守ることが出来るのが行政書士なわけです。なんだかこう書くとかっこいいですねぇ。
役所に提出する書類は約1万種類ほどあると言われています。その中でも私は、「これから事業を始めるやる気に満ち溢れた事業者のお手伝いがしたい」という思いから許認可業務をメインにおいております。「これから新事業でやってやるぞー!」という思いをお手伝いさせていただいています。
②権利義務に関する書類の作成
誰かの「権利」と「義務」を明確にする書類と言えばわかりやすいでしょうか。例えば、Aさんが買い物をした際、Aさんはお金を払う義務と商品を受け取る権利を持つこととなります。一方、お店側は商品を渡す義務とお金を受け取る権利が出てきます。その際のお互いの立場を明確にするために売買契約書などが必要となりますね。このような書類作成も行政書士の業務の一つです。
契約書を作成しておくことで、あとで「言った、言わない」のトラブルを未然に防ぐことができます。予防法務と言ったりします。トラブルを発生させない仕事って、なんだか素敵ですねぇ。
相続に関して、誰が何を相続するのかを明確にする遺産分割協議書や遺言書などもこちらに当たりますね。家族間のトラブルも出来るだけ避けたいものですよね。
③事実証明に関する書類の作成
その名の通り、事実を証明する書類です。と言われても??だと思います。例えば、許認可を取る上で行政から「店舗はこれくらいの広さは確保してくださいね」ですとか、「こんな資格を持っている人を役員に置いてくださいね」と言ったようなハードルを設けられるケースがほとんどです。許認可を取るための要件といいます。
例えその要件が揃っていても、口頭で説明するわけにはいきません。書類でそれらを証明する必要があるわけです。それが「事実を証明する書類」となります。
わかりやすく書いたつもりでしたが、いかがでしたでしょうか。少しでも行政書士の業務への理解が深まれば幸いです。
次回は、「税理士とか司法書士とか、他の士業とどこがどう違うの?」という視点から記事を書きたいと思います。
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